「グレインフリー」とは、どういうこと?
最近、ドッグフードのレビューをするブログなどでは、おすすめのドッグフードといえばグルテンフリーのドッグフードが主流となっています。
「穀物不使用」ということは分かるのですが、愛犬にどんなメリットとデメリットがあるのか?というのは正直あまり分かっていませんでした。
そこで自分用にもなりますので
- グレインフリーのドッグフードが犬にとって何が良いのか?
- 果たして愛犬の健康の為にいいものかどうか?
- 失敗しないグレインフリードッグフードの選び方はどうなのか?
についてまとめていきます。最終的に私のおすすめのグレインフリードッグフードも紹介できればと思います。
そもそもグレイン(穀物)って何?
「グレイン」とは「穀物」のことを言います。

穀物には、「イネ科」「マメ科」「その他」の3種類があるようです。この穀物の中でグレインフリーとは「イネ科の穀物」を使っていないものを指すようです。
だから、「豆が入っているドッグフードなのにグレインフリーって言えるの?」という疑問が解消されました。
あと、グレインフリーで重要なのはトウモロコシの不使用ですね。トウモロコシは消化が悪く、犬の消化器官にも負担をかけるとされています。
とは言え、「グレインフリー」とは、穀物全般を使わない「穀物不使用」と日本では認識されていることが多いです。
グレインフリーとグルテンフリーの違いは何?
「じゃあ、グルテンフリーは?」となる人も多いんじゃないかと思います。
「グルテン(gluten)」とは、小麦・大麦・ライ麦などに含まれるタンパク質の一種です。グルテニンとグリアジンという2種類のタンパク質が絡み合ってできたものが「グルテン」です。このグルテンの粘り気を利用してできたのが、パンやケーキ、パスタやピザなどです。
人間にもグルテンフリーはメリットが多い
今では、人間もグルテンフリーを実践する人が増えています。要は、小麦を食べないようにする人たちが増えています。小麦は現代の私たちの食事に広く浸透していますが、実は万病の元にもなっているという医師もたくさんあります。
実際私は、グルテンフリーの食生活を3カ月行って、12 kg ダイエットに成功したことがあります。食事の量の制限は一切しませんでした。小麦だけを立つ、という食生活をするだけですごく健康になった経験があります。
一般的にはYou Tubeなどで見解を述べると、動画が削除されたりアカウントが削除されたりするので、多くは残っていませんが、小麦のからだへの影響を語っている動画は、探せば見つかります。
小麦を食べすぎていたイタリアンレストランのシェフが、小麦粉絶ちをして内臓疾患がすっかり治ったり、いつも店の残り物を持って帰って晩ごはんにしていたパティシエも、店全体を小麦粉から米粉に変えたら、長年の様々な体調不良が無くなったと語っています。
このようなことは、同じ動物である犬にも起こりえます。というか、起こっています。
「で、グレインフリーとグルテンフリーはどう違うの?」となると、小麦や大麦、ライ麦以外の穀物では、グルテンが生成されません。
なので、グレインフリーではなくグルテンフリーのドッグフードを好む人もいます。
グレインフリーは犬の祖先のオオカミの食事?
グレインフリーがドッグフードに良いとされているのは、犬の祖先であるオオカミが肉食に近い雑食であったことで、犬も肉食に近い雑食が良いとされているからです。肉中心のタンパク質をしっかりと接種しながら、他のマメ科の穀類や、野菜や果物などを配合し、栄養バランスとまとめているものが、最近人気のあるドッグフードです。
先程も申し上げましたが、欧米での「グレインフリー」はイネ科の穀物を使わないという認識が強いのですが、日本では「穀物不使用」という認識が広まっています。「イネ科」には、小麦、大麦なども属しています。
「グルテンフリー」とは、小麦や大麦を不使用というのではなく、小麦や大麦から作られる小麦粉を練ったときに生成される「グルテン」という栄養素を使っていないということになります。ますます、わかりにくくなってしまった気もしますが(汗)
グレインフリーのデメリット
まず最初に知っておきたいのは、グレインフリードッグフードのデメリットです。
①タンパク質を控えめにしたい愛犬には合わない
老犬(シニア犬)では特にそうですが、子犬でも元気な成犬でも、高タンパク質が合わない愛犬もたくさんいます。
犬の個性で、様々です。例えば、飼い主が「グレインフリーで高タンパクこそ、愛犬には最高の食事!」と思い、高タンパクなドッグフードを与え続けていて、様々な病気を抱える愛犬がいました。ある獣医師のすすめで、米中心の食事に変えたところ、すっかり元気になったという話があります。
グレインフリーのドッグフードは、どうしても高タンパク高脂質になりがちです。いつも体調が悪い愛犬がいたら、反対に高タンパクではない食事にしてみると良いかも知れません。
このような、高タンパクが合わない愛犬の場合、グレインフリーのドッグフードは合いません。
②コスパの良い安いグレインフリーのドッグフードはなかなか見つからない
どうしてもグレインフリーのドッグフードは、穀物を使わない代わりに、質の高いタンパク質を原材料に使う傾向にあります。これは、愛犬のからだのためには良いことなのですが、飼い主の財布には、少々困ったことになります。どうしてもフードの価格が高くなりがちです。
大抵、ホームセンターやスーパーで買えるコスパの良いドッグフードと言うのは、小麦粉を多く使ってかさ増ししているケースが多いです。タンパク質も、粗悪なミールなどを使っているケースが多いです。「タンパク質」の表示があり配合量が多くても、出がらしのタンパク質なので、愛犬にとっては栄養があるとは言えないフードも多いです。
粗悪なミールて何?➡️「【4Dミートは嘘?】不使用ドッグフードの見分け方【危険性の真実】」
市販のグレインフリードッグフードってあるの?
とはいえ、愛犬にとってからだに良さそうだとされているグレインフリーのドッグフードが、市販で安く売っていれば、試しに買ってみたいと思いますよね。
コストコのドッグフードがグレインフリー
コストコの自社ブランドが「カークランドシグネチャー」と言います。そのブランドから出ているドッグフードがあります。「(カークランド ドッグフード サーモン&ポテト 成犬用 15.87kg)ネイチャーズドメイン グレインフリー」のグレインフリーのタイプ(青いパッケージ)と、「(カークランド ドッグフード チキン&ライス&ベジタブル 成犬用 12kg)」ほか数種類の味があるシリーズの2種類です。
こちらですね。

正直、当ブログでは1kg522円ほどなので、安すぎるとは思います。ただ、アメリカ産でAAFCO試験適合品となっていますので、良いものかも知れません。
レビューする事があれば、ここでお知らせします。
ホームセンターコーナンオリジナルlifelex ドッグフード グレインフリー 口コミ
「コーナン オリジナル LIFELEX ドッグフード グレインフリー チキン味」というのがあります。

原材料や成分についてはわかりませんが、1kgで606円ほどですから、企業努力で安いのか、良くないのかはわかりません。
楽天やAmazonでも買うことができるようですね。

ドッグフード ナチュラハ グレインフリー
市販でコスパの良いグレインフリーのドッグフードといえば、「ナチュラハ」をよく見かけます。
株式会社マルカンが製造していて「ゴン太」のイメージキャラでテレビCMもやっていますね。ブランド名は「サンライズ」です。
1kgの価格が900円ほどなので、市販のドッグフードにしてはお高めではあります。
原材料です。ちょっとどうかな?というものが入ってはいます。楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングでも買えるようですね。

ドッグフード グレインフリー サンプルが楽天やAmazonにあった
ドッグフードは、食べてくれるかどうか?アレルギーとか大丈夫か?という心配があるので、サンプル品が買えたらうれしいです。楽天やAmazonにグレインフリーのドッグフードのサンプルが売っていますので、気になる方はチェックしてみてください。

③国産のグレインフリードッグフードはなかなか無い
グレインフリーのドッグフードは、日本で販売されていても日本製ではなく原産国は欧米の場合が多いです。特に市販でグレインフリーのフードを見つけようとすると難しいです。
ですが、最近では、愛犬の食事で作る健康に対して意識の高いメーカーさんが日本でも質の高いグレインフリーのフードを作るようになってきています。
残念なのは、そういった質の高いドッグフードは、ネット通販でしか買えないものがほとんどだということです。ドッグフード先進国の多い欧米の質の高いものも、ホームセンターなどではあまり見かけません。
しばらくの間は、質の高いグレインフリーのドッグフードは、ネットで探すことが続きそうですね。
④豆類の配合は賛否両論ある
グレインフリーのドッグフードの原材料で割りとよく見かけるのが「豆類」です。昔、「犬には豆は食べさせたら危険」と聞いたことがありますが、どうなんでしょうか?
生の豆はNG
あまり生の豆を愛犬に与えようとする人もいないとは思いますが、喉につまらせる危険性があるとのことで、控えるようにしたいものです。
消化不良になったり、体調を崩す原因にもなります。消化には、人間の何倍もかかるので、かなり消化器系等にも負担がかかります。
加工した豆はOK
豆自体は栄養素も豊富です。加工と言うか加熱したものは食物繊維が摂れ植物性タンパク質もあります。食べすぎない限り、犬にも良い食べ物です。
グレインフリーのメリット
グレインフリーは愛犬にとって何が良いのか?見ていきます。
①食べるだけで穀物アレルギー対策になる
チキンやビーフなど、特定の動物性タンパク質がアレルギーの原因となることはよく知られています。ですが、同じくらい穀物類にも、アレルゲン(アレルギーの原因)となり得るものがあります。
「それって何?」と言うのは、愛犬も個体差によることなので一概に言えませんが、すべての食材がアレルゲンになる可能性はあります。
穀物アレルギーの愛犬ももちろんいますので、グレインフリーのドッグフードを食べることで、アレルギー対策になります。
②高タンパクで犬の祖先のオオカミの食事に近い
これは、大まかにはメリットでもありますが、デメリットの面も含まれています。
犬の先祖はオオカミだと言うことは、よく知られています。そのオオカミが、元々肉食に近い雑食だということから、グレインフリーが広くドッグフードに広がっていきました。
高タンパクのグレインドッグフードが、犬に合うかどうかといえば、合う犬が多いかも知れません。しかし、グレインフリーよりも、タンパク質と穀物類や野菜などをバランスよく食べたほうが長寿なケースもあります。中には、肉など全く食べず(庭で遊んでいるときにバッタなどを捕まえて食べているかも知れませんが)人間の残り物のお米のご飯に残り物のおかずだけで長生きする愛犬も言います。
③品質や理念がしっかりしたメーカーが多い傾向
ホームセンターで大量に安く販売されているドッグフードの多くは、小麦粉やトウモロコシが原材料の大半を占めていることが多いです。考えてみてください。店頭価格1kg500円のドッグフードがあるとします。3割が原価とした場合、残りの350円が販売利益と人件費、倉庫代や輸送費、開発費、パッケージ代などが含まれていることになります。350円にですよ。
これでは、質の高いドッグフードはできませんよね。
ですが、グレインフリーのドッグフードを作るメーカーは、そもそもやすさで人を引きつけようとしていません。「犬の餌」を作るのではなく「愛犬の食事」を作るイメージです。
愛犬=家族なわけですから、家族のための食事に変なものは出せません。
グレインフリーのドッグフードを作るメーカーの理念も、そういった会社が多く良い素材、良い製法、など真剣に愛犬の健康を願っているメーカーが多いです。
グレインフリードッグフードは涙やけ対策に効果あるの?
涙やけや目やにが多く出ると言うのは、人間でも同じ原因で、添加物の多い食事を摂っていれば、大量に目やにが出ます。
インスタントラーメンにポテチ、コーラを飲むランチ、夜はからあげクンにストロング缶酎ハイなんて食生活をしていたら、そもそもの健康も害しますが、目やにや吹き出物なんかも多く出ます。
愛犬の食事も同じで、添加物&小麦粉まみれのドッグフードを与えていれば、目やにや涙やけがひどくなります。そんな状態から、質の高いグレインフリーのドッグフードに変えれば、体質も改善されて、目やにや涙やけも治まっていきます。
グレインフリードッグフードは心臓病の危険性があるって噂はどうなの?
生はダメだけど加熱すればOKとか、枝豆は危険とか、いろいろな話がありますが、世界的に事の発端となったのが、FDA(アメリカ食品医薬品局)が、2018年7月に最初の警告を出したことでした。
「犬の拡張型心筋症の症例が散発的に報告された。診断された犬の多くがえんどう豆、レンズ豆、その他の豆類、ポテト類、これらのタンパク質、デンプン、繊維などの成分が原材料一覧の前半に多く列記され、それらが主成分であることを示すフードを食べていた」というものでした。
結局のところ、紆余曲折ありましたが、グレインフリーのドッグフードが拡張型心筋症に影響があるのかどうかは分かっていません。
グレインフリードッグフードの失敗しない選び方5つ
①主原料をチェック!タンパク質など明確に原材料が分かるか?

グレインフリードッグフードの失敗しない選び方の1つ目は、「主原料をチェック!」です。
明確で良質なタンパク質はアレルギー対策に欠かせないということがあります。要は、メインのタンパク質となる原材料がはっきりとわからない場合、その主原料がアレルギーの原因になっていてもわからないので、対策ができないということです。
はっきりとメインのタンパク質源がわかっていて、そのフードに替えたらアレルギーが出た、となればそのフードのメインのタンパク質源をアレルゲンとして対策(摂らないようにする)と良いということです。
ドッグフードでグレインフリーならヒューマングレードを選びたい!
ドッグフードの原材料の品質を表すときに、「ヒューマングレード」というのがあります。これは、「人間が食べても安心安全な高品質な原材料を使っていますよ」ということなんですね。
これって、「あ~、愛犬にも優しいんだな~」と思う反面、「え?逆に人間が食べちゃダメなものが原材料のドッグフードのほうが普通なの?」と思ってしまいます。
ホームセンターなどで売れらている安いドッグフードは、本当に要注意でヒューマングレードどころか、「人間よりか弱い動物であるペットのフードに入ってちゃダメでしょ」というものが、普通に入っているのが、市販の安いドッグフードの現状です。
②植物性原材料のチェックも忘れずに!

グレインフリーのドッグフードは、高タンパクであるのもそうなんですが、「高脂質」である場合も多いです。その脂質の成分として”脂””油”が重要になってきます。
明確で良質な油は皮膚被毛の健康維持に役立ちますし、逆に粗悪な油は愛犬の健康を害してしまいます。これは人間も同じです。トランス脂肪酸の入ったサラダ油を摂るよりも、オリーブオイルやごま油などで料理をしたほうが、健康には役立ちます。
油以外の、植物性の原材料もチェックしましょう。グレインフリーのドッグフードを選ぶときだけでなく、小麦やトウモロコシなどはアレルギー体質の愛犬は反応が出てしまうことがあります。植物性の原材料も、細かくわかりやすく表示してくれていたら、アレルギーが出た場合でも、原因(アレルゲン)を見つけやすくなります。
③添加物をチェック!やっぱり無添加を選びたい!

4Dミートや○○ミールなどの粗悪なタンパク質源についてはこちらで解説しています。防腐剤などの化学的な添加物は、可能な限り避けたいです。日本は、世界の中でも人間が食べる食品添加物はダントツに多い国です。その基準の国で作られた市販の安いドッグフードには、どれだけの添加物が入っているかと考えると、恐ろしささえ感じてしまいます。
良くない添加物とされているものには、以下のようなものがあります。
表記名も様々で、一見すると添加物だとわからない(興味がないと気づかない)場合も多々あります。まずは、ドッグフードを買う私達が意識することが大切ですね。
④穀物以外にアレルゲンがないかチェック!
小麦やトウモロコシと言った穀物は、アレルゲンになることが多いです。
ですが、主原料となるタンパク質など、穀物いがにもアレルギーの原因になる材料があるので、チェックしておきたいですね。
アレルギー対策のためのローテーション

アレルギーとは、コップにアレルゲンを注ぎ続けているイメージです。
チキン・サーモン・鹿・馬・ビーフなどの主原料となるタンパク質があります。チキンのドッグフードばかり食べていると、アレルゲンはチキンのコップに溜まっていきます。食べ続けるとやがて溢れます。これがアレルギー症状が出る仕組みです。
なので、チキンのコップ、サーモンのコップ、鹿のコップとそれぞれのコップが溢れないように、少しづつ注ぐようにしたいのです。そのために、ドッグフードをローテーションして数種類を替えながら愛犬に与えていきます。
すると、アレルギーが出にくくなります。
アレルゲンになりやすい原材料
アレルギーの原因となるものは、愛犬の個体で全く違ってきます。まずは、材料がわかりやすく明記されているドッグフードを選び、食べさせてみて、体調の変化がないか観察し、異常があれば原材料からアレルゲンを推測していきます。
⑤原産国はどこが?ペットフード先進国のものを選びたい!
ドッグフードに限らず、「食べるものは、中国産は絶対に避ける」「韓国産はちょっとね」とか、「国産選んでおけば間違い無いんじゃない」という方も多いと思います。
ドッグフードの場合は、「ドッグフード先進国」とか「ドッグフード主要原産国8カ国」なんていい方をすることがあります。
- ドイツ
- イギリス
- スウェーデン
- アメリカ
- カナダ
- スイス
- ニュージーランド
- オーストラリア
この8カ国は、ドッグフードの認可基準が高かったり、原材料への基準が厳しかったりする、ペット先進国でもあります。特に、グレインフリーのドッグフードは、海外さんが今のところは多いです。ホームセンターなどの量販店では、なかなか見つけられないかも知れませんが、Amazonや楽天などのネット通販なら簡単に見つかります。
国産のドッグフードも品質の高いものは増えてきています。いつか、日本も9カ国目に入ると良いですね。